SPECIAL

2014/08/01

レコーディング・レポート

 

茅田砂胡プロジェクト・プロデューサーの安藤です。

これから、都度、当プロジェクトが進めるコンテンツの制作レポートや、
スタッフ・コメントなどを書かせて頂ければと思っております。

 

「茅田砂胡CDブック デルフィニア戦記 放浪の戦士」に収録するための楽曲録音が、
7月某日、都内某スタジオにて行われました。

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今回収録する楽曲ですが、2013年11月に中央公論新社より発売された
「茅田砂胡全仕事 特別版」に収録されているドラマCD「紅蓮の夢」の音楽を担当頂いた、
砂守岳央、松岡美弥子の両名に引き続きお願いしています。
今回収録の楽曲の成り立ち等については、
9月に発売予定のCDブックに詳しく収録されておりますので、
後日、お読み頂ける頃に、企画メイキング・エピソードとして、改めてご紹介したいと思います。
ちなみに録音当日は、11曲を1日で収録という久々の暴挙に出ております。

この日の録音は、前日までに、打楽器系、ピアノなどは録音していたので、
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、オーボエ、
ホルン、フルート、ギターという生楽器のみのラインアップ。

最初に書いてしまいます。やっぱり、生弦・生楽器の音はいいなあ

 

朝9時半過ぎ、
10時からのレコーディング開始との連絡を受けていた自分がスタジオに入った時、すでに現場は臨戦態勢。
スタジオ内では、弦楽器の方々がチューニングに余念なく、
同時に、ホルン、フルートも収録することから、ホルンの方はスタジオ内の別ブースに。
フルートの方は、スタジオ入口のドアとドアの間をブースとして、
一人寂しく、訂正、真剣に、渡されたばかりの譜面を確認されております。

バックヤードでは、各演奏者の方々、エンジニア・スタッフに配る楽譜のコピーで修羅場。
何故、この場で?このタイミングで?と思われるかと思いますよね?そうです。
朝ギリギリまで、譜面を書かれていたんですね。
すいません、無茶なスケジュールでお願いしてて。。。
松岡さん、本当にごめんなさい。

現場のディレクターは、
作曲家兼アレンジャー兼ディレクター兼ピアニスト・プレーヤーのスーパーコンビ、
砂守、松岡両名に任せているので、
オジサン・プロデューサーは安心してコントロール・ルーム最前列のソファに。
(ここが一番邪魔にならない。でも腰が痛くなるんです)

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定刻に、しっかり音出し

いつもの事ながら、プロのミュージシャンの方々は凄いです。
特に、前回「紅蓮の夢」でもお願いした、このチームの方々。
メンバーは違うのに、とにかく楽曲のコンセプトを掴むのが早い。
ちなみにですが、先程も、さらっと書いたように、ミュージシャンの方々は初見です。
そう、ほんの数分前に楽譜を渡されているのです。
ですから、前もっての練習は不可能。
楽譜を正しく演奏するのはプロですから、ある意味当然としても、
楽曲のイメージ・ニュアンスを、演奏しながら即座につかんで行く様子は圧巻です。

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実際の録音ですが、基本弦楽器を中心に、曲によっては、
他の楽器の方も同時に演奏して頂いて、後から、ソロパート録音や部分修正再録音をしていきます。
この「部分作業」、スタジオ作業の一つの醍醐味と言っても過言ではないと思います。
実際に見て頂かないと、伝えられる自信はないのですが、例えば、こんな感じです。

ディレクター「1stヴァイオリン、34小節目から36小節目の2拍目まで、もう少し***な感じで下さーい」
1stヴァイオリン「こんな感じですか?」(実際に弾いてみる)
ディレクター「そんな感じです」
エンジニア「では、2小節前32小節目から出します」
ここで、録音したデータ(昔はテープでした)を操作して、32小節目を的確に頭だししちゃいます。

で、ここからがカッコ良い。
ヴァイオリンの方は、2小節前から前回の演奏に合わせて弾いていき、
34小節目に入るタイミングで、エンジニアの方が瞬時にスイッチオン。
で36小節目の2拍目終わりで、スイッチオフ!(パンチ・イン、パンチ・アウトって呼んでます)
こんな感じです。ねっ!?スゴいですよね???
伝わらないかなあ。。。文章力ないし。すいません。

ああ、早く皆様に聴かせたい。

 

あと、(絵的に)面白いのは、一人だけの別録音。
写真を見て頂くと、奥にあるブースの中で、ギターの方が黙々と一人演奏をされてます。

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これ、居残り罰ゲームではありません。
今回の写真はブースの中ですが、広いスタジオの中で自分一人で演奏するのって、どんな感じなのだろう?
と昔想像してみましたが、やはり、自分には出来そうもありません。
早々にプレーヤーを諦めて、こちら側に潜り込んだ自らの判断を、この時ばかりは褒めたくなります。

収録そのものは、若干のスタジオ機材の不調(多分、昨今の異常気象による多大な湿気が原因)によって、
若干の遅れは生じたものの、調整ブースの方々は昼飯抜きという軽被害(?)のみで、
怒濤の11曲一挙演奏収録、予定時間の午後8時過ぎに終了しました。

ヤッパリ早く聴かせたい。

 

決めました。近日中に、当サイト内で少しだけ視聴して頂けるようにします。
サイトデザイナーを口説いて、楽曲周りの処理をしてと若干時間がかかると思いますが、しばしお待ちを。

では、また次回