レコーディング・レポート
茅田砂胡プロジェクト・プロデューサーの安藤です。
これから、都度、当プロジェクトが進めるコンテンツの制作レポートや、
スタッフ・コメントなどを書かせて頂ければと思っております。
「茅田砂胡CDブック デルフィニア戦記 放浪の戦士」に収録するための楽曲録音が、
7月某日、都内某スタジオにて行われました。
今回収録する楽曲ですが、2013年11月に中央公論新社より発売された
「茅田砂胡全仕事 特別版」に収録されているドラマCD「紅蓮の夢」の音楽を担当頂いた、
砂守岳央、松岡美弥子の両名に引き続きお願いしています。
今回収録の楽曲の成り立ち等については、
9月に発売予定のCDブックに詳しく収録されておりますので、
後日、お読み頂ける頃に、企画メイキング・エピソードとして、改めてご紹介したいと思います。
ちなみに録音当日は、11曲を1日で収録という久々の暴挙に出ております。
この日の録音は、前日までに、打楽器系、ピアノなどは録音していたので、
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、オーボエ、
ホルン、フルート、ギターという生楽器のみのラインアップ。
最初に書いてしまいます。やっぱり、生弦・生楽器の音はいいなあ
朝9時半過ぎ、
10時からのレコーディング開始との連絡を受けていた自分がスタジオに入った時、すでに現場は臨戦態勢。
スタジオ内では、弦楽器の方々がチューニングに余念なく、
同時に、ホルン、フルートも収録することから、ホルンの方はスタジオ内の別ブースに。
フルートの方は、スタジオ入口のドアとドアの間をブースとして、
一人寂しく、訂正、真剣に、渡されたばかりの譜面を確認されております。
バックヤードでは、各演奏者の方々、エンジニア・スタッフに配る楽譜のコピーで修羅場。
何故、この場で?このタイミングで?と思われるかと思いますよね?そうです。
朝ギリギリまで、譜面を書かれていたんですね。
すいません、無茶なスケジュールでお願いしてて。。。
松岡さん、本当にごめんなさい。
現場のディレクターは、
作曲家兼アレンジャー兼ディレクター兼ピアニスト・プレーヤーのスーパーコンビ、
砂守、松岡両名に任せているので、
オジサン・プロデューサーは安心してコントロール・ルーム最前列のソファに。
(ここが一番邪魔にならない。でも腰が痛くなるんです)
定刻に、しっかり音出し
いつもの事ながら、プロのミュージシャンの方々は凄いです。
特に、前回「紅蓮の夢」でもお願いした、このチームの方々。
メンバーは違うのに、とにかく楽曲のコンセプトを掴むのが早い。
ちなみにですが、先程も、さらっと書いたように、ミュージシャンの方々は初見です。
そう、ほんの数分前に楽譜を渡されているのです。
ですから、前もっての練習は不可能。
楽譜を正しく演奏するのはプロですから、ある意味当然としても、
楽曲のイメージ・ニュアンスを、演奏しながら即座につかんで行く様子は圧巻です。
実際の録音ですが、基本弦楽器を中心に、曲によっては、
他の楽器の方も同時に演奏して頂いて、後から、ソロパート録音や部分修正再録音をしていきます。
この「部分作業」、スタジオ作業の一つの醍醐味と言っても過言ではないと思います。
実際に見て頂かないと、伝えられる自信はないのですが、例えば、こんな感じです。
ディレクター「1stヴァイオリン、34小節目から36小節目の2拍目まで、もう少し***な感じで下さーい」
1stヴァイオリン「こんな感じですか?」(実際に弾いてみる)
ディレクター「そんな感じです」
エンジニア「では、2小節前32小節目から出します」
ここで、録音したデータ(昔はテープでした)を操作して、32小節目を的確に頭だししちゃいます。
で、ここからがカッコ良い。
ヴァイオリンの方は、2小節前から前回の演奏に合わせて弾いていき、
34小節目に入るタイミングで、エンジニアの方が瞬時にスイッチオン。
で36小節目の2拍目終わりで、スイッチオフ!(パンチ・イン、パンチ・アウトって呼んでます)
こんな感じです。ねっ!?スゴいですよね???
伝わらないかなあ。。。文章力ないし。すいません。
ああ、早く皆様に聴かせたい。
あと、(絵的に)面白いのは、一人だけの別録音。
写真を見て頂くと、奥にあるブースの中で、ギターの方が黙々と一人演奏をされてます。
これ、居残り罰ゲームではありません。
今回の写真はブースの中ですが、広いスタジオの中で自分一人で演奏するのって、どんな感じなのだろう?
と昔想像してみましたが、やはり、自分には出来そうもありません。
早々にプレーヤーを諦めて、こちら側に潜り込んだ自らの判断を、この時ばかりは褒めたくなります。
収録そのものは、若干のスタジオ機材の不調(多分、昨今の異常気象による多大な湿気が原因)によって、
若干の遅れは生じたものの、調整ブースの方々は昼飯抜きという軽被害(?)のみで、
怒濤の11曲一挙演奏収録、予定時間の午後8時過ぎに終了しました。
ヤッパリ早く聴かせたい。
決めました。近日中に、当サイト内で少しだけ視聴して頂けるようにします。
サイトデザイナーを口説いて、楽曲周りの処理をしてと若干時間がかかると思いますが、しばしお待ちを。
では、また次回